無料セミナー開催「SDGsを保育・子育ての視点からみつめる -vol.2-」11月20日(土)13時30分〜
「SDGsと保育・子育てのつながり」をテーマとした無料オンラインセミナーを、11月20日(土)13時30分〜開催します。
SDGsとは、持続可能な未来に向けて国連加盟193ヶ国が2030年までに実現を目指す17の目標のことですが、その中には「質の高い教育」も含まれます。このSDGsを実現する上で、実は保育・子育てが大きなカギを握っています。なぜなら、持続可能な未来は今の大人だけでは実現できず、将来大人になる今の子どもたちが、持続可能な考え方や行動が出来るようになるからこそ実現に近づくからです
しかし、実際問題として「SDGsと保育・子育てのつながりが分かりにくい」という状況があります。
そこで社会福祉法人 檸檬会では、定期的にSDGsに関するセミナーを開催し、法人が運営する保育施設での実践事例を通して、乳幼児期に関わる大人が「SDGsと保育・子育てのつながり」について考える場を提供します。
2回目となる今回は、レイモンドこども園(和歌山県)の5歳児クラスでの活動を紹介します。台風被害のニュースを見た子どもたちが、「災害」について話し始めたことをきっかけに、友だちや保育者と対話を重ねるなかで、たくさんの気付きが生まれ、さまざまな探究へとつながっていきます。
本セミナーでは、保育・子育てにおけるSDGsへの取り組みが、単なる環境教育ではなく、身の回りのことを自分ごと化していくプロセスが大切だということを、副理事長で教育学博士でもある青木一永と、保育教諭が、わかりやすく一緒に学んでいただける内容でお送りします。
< 対象 >
保育者、保育学生、未就学児の保護者の方
< 内容 >
「SDGsと保育・子育てがどうつながっているのか、変わる必要があるのか?」
檸檬会が行なっている“つながる保育”の実践事例から考える
< 日時 >
2021年11月20日(土)13:30~15:00
13:30‐13:35 開会 あいさつ
13:35‐14:15 「幼児期のSDGsは何をするかじゃないらしい!」(青木)
14:15‐14:40 「防災について」(田中)
14:40‐14:45 実践事例の解説 (青木)
14:45‐14:55 質疑応答(チャット)
14:55‐15:00 閉会
< 費用 >
無料
< 参加方法 >
オンライン配信(Zoom ウェビナー ※1)
※1…Zoomウェビナーとは
・主催者側だけが表示されます。他の参加者はもちろん主催者にも、参加者の顔や声を共有されることはありません。
・事前登録が必要です。
< お申し込み >
▶︎ https://lemon02sdgs.peatix.com/
< 登壇者 >
青木一永(Kazunaga Aoki)
社会福祉法人檸檬会 副理事長/博士(教育学)
大阪総合保育大学 非常勤講師
れもん保育園(現:レイモンドこども園)園長を務めたのち現職。
園長時代に大学院に通い始め、2019年博士学位取得。
現在は、副理事長として全国約70施設の運営や職員育成を行うほか、大学非常勤講師として学生指導や講演活動、海外の保育者の育成を行い、理論と実践の架け橋を目指している。2015年日本乳幼児教育学会新人賞受賞。
田中 智美(Tanaka Tomomi)
レイモンドこども園 保育教諭
5歳児クラスの話し合いの中で、台風の災害ニュースについての発言から始まった事例をもとに、子どもたちと考える「防災」についてお話します。
2021年11月29日追記
【セミナー開催報告】
11月20日(土)、2回目のSDGsセミナーが開催されました!
当日は122名もの方にお申込みいただき
●「保育実践が本当に素晴らしく、発表者の意識の高さに驚かされます。」
●「保育に携わる者として、前回のセミナーからも、今回の実践事例からも、たくさんの学びを得ています。」
●「保育とSDGsについてはより理解を深められ、自分の中に落とし込めた」
●「こうしてセミナーとして公開したりして、保護者・地域・社会に向けて保育を可視化してくださっていることにも感謝しています。第3回もぜひご検討ください。」
など嬉しいお声をいただきくことが出来ました。
檸檬会の公式youtube「レイモンドチャンネル」にて、録画配信をしております。
当日惜しくも視聴できなかった方、もう一度復習したい方は是非ご覧ください。
いただいたご質問へお答えします。
全ての子どもが積極的に取り組んだのでしょうか?洪水や災害、防災に関心を持っていない子どもにはどのように接していますか?また、その子によって受け止め方が異なると思いますが、恐怖心の強い子にはどのように対応されたか伺いたいです。
A.
もちろんクラスの中でも子どもたちの興味はそれぞれなので、活動に興味や関心を示さない子もいました。が、それら子どもに対しては、無理やり活動に参加をさせるのではなく、
様々な活動を取り入れながら、「この子たちの興味はどこにあるのだろうか」「何に関心を持つのだろうか」ということを観察することを大切にしました。そして、それらの活動の中で、何かに興味を持つ姿をみかけたら、そこを入口として活動を進めていくように工夫をしました。
恐怖心については、今回の場合「自分たちのところでも同じようなことを起こったらどうしよう」という思いを持つ子どもも多くいましたが、「じゃあ、どうしたらいいの?」という前向きな考え方を持つことができるようにしていきました。
サークルタイムを行うにあたり、一回の時間配分を教えてください。
全員が一度は発言する形になるのですか?教えていただきたいです。
A.
その日、その時の子どもの姿によって場所、時間、実施方法は変わります。
たとえば、その日の話が盛り上がれば30分ほど続きますが、そうでない日は5分、10分で終わる日もあります。また、サークルタイム→フィールドワーク→サークルタイムのように一日の中で数回サークルタイムを行う日もあります。サークルタイムも部屋の中で行ったり、園庭で行ったりしています。
子どもたちの発言については、やはり興味がなかったり、人前での発言が苦手な姿もあります。
そういう姿に対しては、「何か言いたいけれど言えない」「活動中におもしろい発見をしていたのに言えないでいる」という様子が見られたら、声をかけて意見を聞いたりしています。そして、発表の後には必ず「承認」の言葉がけを行い、クラスみんなで拍手をし「また発表したい」という気持ちにつなげることができるようにしました。どうしてもみんなの前で話せなかった時には、サークルタイムの後にじっくりと話を聞き、次のサークルタイムで代弁したりしていました。
まとめにドキュメンテーンションを小まめに作成とありましたが、どういうことを指してるの、どういかしているかを教えて頂きたいです。
A.
毎日活動の様子を園内に掲示し、保護者の方がいつでも見ることができるようにしています。そうすることで家庭で活動についての話題が盛り上がったり、そのことを次の日のサークルタイムで子どもたちが嬉しそうに話す姿や、活動が広がるきっかけになったりしています。また、部屋の中に貼ることで、子どもたち同士で活動を振り返ったり、活動についての話題で盛り上がったりしています。
サークルタイムで話題が出てから生活発表会まで、取り組みはずっと続いたのでしょうか?
それとも、ある程度の期間でいったん終わり、生活発表会で発表をしたのでしょうか?
A.
今回のこの活動については、洪水のあった7月から翌年2月のレイモンドフェスタ(生活発表会)まで、流れが途切れることなく続きました。年内は探究し、年明けからレイモンドフェスタまでは振り返りとまとめを行いました。
また、活動はこれら災害・防災の活動だけではなく、それ以外の子どもたちの興味や関心も持った活動も平行して行っていました。