保育施設でのグローバル対応が急務に。「レイモンドほいくえん」で、外国にルーツを持つ子どもの育ちを支えるプロジェクトが発足
家族の多様化によって生じる保育園現場の課題、インクルーシブ保育の実態とは
全国で90ヶ所の保育事業と障がい福祉事業の施設運営を行う社会福祉法人檸檬会(れもんかい/法人本部:和歌山県紀の川市 理事長:前田効多郎)は、法人が運営するレイモンド保育園などの保育施設において、外国にルーツを持つ子どもの在籍数が増えている実態に対し、子ども一人一人の育ちをサポートするためのプロジェクトを進めています。
国内において外国にルーツのある未就学児の割合は年々増えています。そうした中、保育施設では、どの家庭でも安心して利用できる対応が求められています。
檸檬会の保育施設でも、レイモンド川崎保育園やレイモンド西淀保育園など外国にルーツを持つ子どもが多数通う保育園があります。多いところでは園児の約35%が外国にルーツをもつ場合もあり、中国・フィリピン・インド・ネパールなどエリアもさまざまです。
国籍や性別、障害の有無に関係なく、“子ども一人一人に寄り添う丁寧な保育”を掲げる檸檬会では、日本語や日本文化に不慣れな子どもや保護者が感じている「困りごと」をサポートするために、法人全体の取り組みとして「グローバル・アクション・プロジェクト」を立ち上げました。
このプロジェクトでは園での困りごとをピックアップし、他園での取り組みや対応方法を共有し、該当園で保育に活かしました。その成果をもとにガイドラインを作成し各施設へと展開します。
具体的な事例としては、日本語がわからない保護者が理解できるように、配布書類や掲示物は簡単な文型や平仮名での記載、英語併記にしています。さらに、英語が分からない保護者に向けては母国語に翻訳したカードも用意しています。また、読みやすさに考慮して個人差の出る手書きをやめユニバーサルデザイン書体に統一したり、写真やイラストを多くするなどして正確に伝わるように作成します。
保護者からだけでなく職員からも、生活面においての文化の違いに戸惑うという意見もあります。例えば、「いってらっしゃい」「おかえりなさい」のような挨拶がそもそも国の文化として無い場合があり、登降園時の会話や交流に発展しづらいという問題がありました。そこで、さまざまな言語での挨拶やそれに代わる言葉を書いたカードを廊下に掲示し、コミュニケーションを取るきっかけとして活用しています。
言葉だけでなく、食生活についても課題はあります。例えば、イスラム教やヒンドゥー教といった宗教によって食事制限がある場合には、できるかぎり一人一人に応じたメニューを提供します。また、日本の食文化にも触れられるように食事制限がある子どもでも食べられる食材を使用した和食や行事食も用意します。さらに、外国の郷土料理を給食メニューに取り入れることで、子ども同士がお互いの国や文化を自然と理解することにもつながっています。
そして、子どもたちが長い時間を過ごす保育室には、2言語併記や多言語に訳された絵本を置いたり、さまざまな肌の色の人形を置くなど、園生活が子どもにとってストレスにならないように安心できる環境づくりに配慮しています。
外国にルーツのある家庭では、さまざまな場面で遭遇する異なる習慣や文化に不安を感じながら子育てをしています。檸檬会ではすべての家庭が安心して保育施設を利用できるように、インクルーシブ保育を進めています。レイモンド川崎保育園では定期的に子育て支援を行なっており、今後は地域のニーズに応えて外国にルーツのある家庭も、より参加しやすいイベントを予定しています。
【レイモンド川崎保育園】
〒210-0005
神奈川県川崎市川崎区東田町8 パレール川崎3F
webサイト
https://www.lemonkai.or.jp/school/nursary/leimond-kawasaki-hoikuen/
【レイモンド西淀保育園】
〒555-0043
大阪府大阪市西淀川区大野3-7-25
webサイト
https://www.lemonkai.or.jp/school/nursary/leimond-nishiyodo-hoikuen/
【この件に関するお問い合わせ】
社会福祉法人檸檬会 広報企画室
法人本部:和歌山県紀の川市古和田240
電話:0736-79-7313
メール:pr@lemonkai.or.jp