保育者であり、歌手でもある生き方を選択できた理由
『4年越しの関東 保育者であり歌手でもある生き方』
神奈川県川崎市中原区で2018年4月に開園したレイモンド元住吉保育園のオープニングスタッフとして働く智谷思音(ちだにしおん)さんにインタビューしました。智谷さんは広島出身。「近所の保育園で働きたい!」という保育士さんが多い中、なぜ神奈川県で保育士をされているのか、素朴な疑問を投げかけてみました。
すごく個人的な事になるんですが、実は「4年越しの想い」を実現するための関東でした。これまで保育士として働きつつも、「音楽を真剣にやりたい、この先生のもとで学びたい」という熱い想いがあり、その先生がおられる関東に行くことが長年の夢でした。しかし、どうやったら関東で生活ができるかと悩んでいる時に、『宿舎借り上げ制度』の事を知り「これを使えば関東でも生活できるんじゃないかな!」という期待が膨らみ決意しました。(それが今、叶っている!すごい幸せです!)ただ、宿舎借り上げ制度は自治体によって異なるのでかなり調べました。実際に市役所に電話すると市の職員の方の対応がすごく良かったんですね。実際にここ元住吉に降り立ってみたらすごく良い街だったのも決め手のひとつとなりました。
歌の勉強をしたい、関東で生活したい、だからってどこの保育園でも良い、という訳ではありませんでした。私は当時、規模の大きい保育園で働いていて、0歳児と1歳児を担当していました。「子ども○人につき保育士1人」としてクラスに入ったとしても、実際に見る子どもの人数はクラス全体であったりするので、大人数だとすごく大変でした。そうした経験から、規模の小さい園で働きたいなと思うようになりました。そのほうが一人一人に寄り添いやすいですし……そんな時に檸檬会を知り、理念に惹かれました。レイモンド元住吉保育園はとても働きやすいです。今、2歳児を担当しているのですが、一緒のクラスの先生が仕事をやりやすくしてくださり、また、子どもに対して温かい目線で接していらっしゃるので、そばで見て勉強になってます。
こんな生活が続けばいいなと思っています。『宿舎借り上げ制度』があるから家賃の負担も軽く、職場にしてもとても働きやすく毎日が充実しています。生活の基盤がしっかりしたことで、新たな目標を持つことができました。今は自分の保育を言語化できるようになりたいと思っています。「保育の質を高める」と考えた時、言語化し外の価値観と並べ客観的な視点をつことで自分の保育を振り返ることができるんじゃないだろうか、そんな思いから今年度の檸檬会の海外研修へも応募しました。
檸檬会のCCD(※1)がレッジョ・エミリアと似ているなって思ったのが、檸檬会に興味を持ったきっかけです。レッジョ・エミリアには、写真と言葉で保育を伝えるドキュメンテーションというツールがあります。それって言語化できることに通じているな、振り返りもできるな、と。そういう事がここでも出来たらいいなと思っています。
このドキュメンテーションであったり、みんなで事例を出し合ったり、それぞれの保育観をシェアしながら語り合うことは大切なのですが、時としてぶつかる事もあります。そんな時に「子どもからこんな成長が見受けられたんですよ」っていう事が共有できると、空気が和らぐのを感じます。こうした質を高める行為の先には、「子どものために」という共通の思いがあるんだと思います。そうした思いをキーワードにみんなで良くしていけたらいいねと話しています。
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※1 CCDとは……こちらのCCDプロジェクトを参照